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高速バスの車両の工夫

高速バス車両は、道路運送車両法に基づく省令「運送車両の保安基準」によって仕様が定められています。

全体のサイズは「長さ12メートル、幅2.5メートル、高さ3.8メートル、車両総重量25トン、軸重10トンを超えてはならない」と定められています。この範囲内で、バス車両は工夫が凝らされています。

高速バスの車両の特徴と、基本的な仕様について解説しましょう。

ハイデッカーとスーパーハイデッカー

高速バスの車両は、タイヤハウス(タイヤのカバー部分)が室内に出っ張らない高さに床を張っています。そのため、室内高さは1.9メートル程度あり、通常の路線バスに比べると高いです。これを「ハイデッカー」といいます。

床面が高いぶん、床の下にトランクルーム(荷物入れ)を作ることができます。トランクルームには車両横に開口部があり、出し入れは車外でおこないます。

ハイデッカー(京王バス)

このトランクルームをさらに大きくし、車内からの眺望を良くするために床面をさらに上げた車両もあります。これを「スーパーハイデッカー」といいます。

ハイデッカーは車両の全高が3.5メートル程度ですが、スーパーハイデッカーは、法令限界の3.8メートル程度になっています。

最近は少なくなりましたが、2階建てバスもあります。2階建てバスは「ダブルデッカー」といいます。

車内スペース

高速バス車両は、全長12メートル、幅2.5メートルという制限があります。運転手スペースを差し引くと、客室スペースは9.85メートル×2.3メートル程度になります。

また、客室の通路幅は30センチ以上取らなければならないという基準があります。したがって、座席に使える横幅は、合計で2メートル程度になります。

そのため、横4列シートの座面幅は440ミリ、横3列シートは465ミリ、横2列シートは600ミリ程度になっています。(詳しくは高速バスの座席ページを参照してください。)

ドアと窓

出入口となるドアは、前方1箇所だけです。ドアには「折扉」と「スイング扉」の2種類があります。

折扉」は、開いたときにドアが2枚に折れてたたまれるものです。ドア内側に折りたたみスペースを確保するためステップに切り欠きができ、走行中の気密性や遮音性に劣るという難点があります。

スイング扉」は、扉が外側後方にスライドして開閉するドアです。ステップに切り欠きができませんし、気密性や遮音性にも優れます。ただ、折扉に比べて開閉に時間がかかり、開くとドアが外側に出っ張るという難点があります。バスを停車させるとき、運転手はドアの開閉スペースを気にしなければなりません。

前方ドアのほか、「非常口」が車体の右側後方もしくは後部に設置されています。非常口を開けるときにシートを跳ね上げるか、非常口ドアを開けてからシートを押し出す仕組みになっています。

高速バスには窓が開閉できないものが多いです(固定窓)。固定窓の高速バスのなかには、前から後ろまでが1枚のガラスに見える「ピラーレス」というタイプの窓が使われているものもあります。ピラーレス窓は、客室内から景色を見やすいというメリットがあります。

補助席のある車両は、開閉窓(引き違い窓)になっています。車両保安基準で補助席のある車両は開閉窓にしなければならないと定められているからです。補助席を使っていると、緊急時に前方ドアから脱出しにくいので、窓からの脱出を容易にするため、開閉窓になっているのです。

エンジンと休憩室

高速バスのエンジンは、最後部の座席下にあります。いわゆるリアエンジンで、後輪駆動です。そのため、車両後方はエンジン音がやや気になる場合があります。エアコンは天井にあります。

室内床下のホイールベース(前輪と後輪の間)には、トランクルームが設置されています。スーパーハイデッカーでは約10立方メートルの容量があります。

長距離バスでは、トランクルームのとなりに乗務員の休憩室(仮眠室)があります。客室床下に仮眠室があるわけです。乗務員の休憩室は、旅客用トイレに隣接して設けられることが多く、トイレ横の階段から客室内と行き来できるようになっています。

トイレ

高速バスのトイレは、客室中央の半床下か、客室後方に置かれていることが多いです。客室後方の場合、座席2列分の片側を使っているタイプが多いですが、最後部列全部をトイレとして広めのスペースを確保しているバスもあります。

トイレは真空式です。汚物タンク内を真空状態にして汚物を吸い取り、その後、水で洗浄するものです。臭気が発生しにくいというメリットがあります。

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