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2種類の高速バス

高速バスには、かつて「高速路線バス(乗合バス)」と「高速ツアーバス」の2種類がありました。2013年8月に「新高速バス(乗合バス)」に統一されています。

ただし、現在も「高速路線バス」と「高速ツアーバス」の流れはそれぞれ受け継がれています。ここでは、「旧・路線バス系」と「旧・ツアーバス系」について違いを説明していきます。

簡単にいえば、「路線バス(乗合バス)」は普通のバス会社のバスで、「ツアーバス」は旅行会社のパッケージツアーでした。統合された「新高速バス」は、「乗合バスの規制緩和をして、ツアーバスの形態に近づけたもの」です。

以下では、かつての「路線バス(乗合バス)」と「ツアーバス」の特徴を説明します。

旧・路線バス(乗合バス)

旧・路線バスは、JRバスや西鉄バスなどの鉄道会社系が代表格です。北海道中央バスや、神奈川中央交通などの、地域の大手路線バス会社も旧・路線バスです。

こうした旧・路線バスは、「バス停留所」を持っていて、必ず毎日運行する、という点が大きな特徴でした。

「なんだ、そんなの当たり前じゃないか?」という方もいると思いますが、じつはそうではありません。旧・高速ツアーバスは、「バス事業者」ではありませんでしたので、決まった場所にバス停を持ちませんでしたし、必ずしも毎日運行するわけではありませんでした。

旧・ツアーバス

旧・ツアーバスは、ウィラートラベルVIPライナーが代表格です。

こうしたツアーバスは、「旅行会社が観光バス会社のバスを借りて乗客を運ぶ」ものでした。「スキーツアー」などでバス旅行をすることがありますよね。そういう「ツアー」が、毎日、東京~大阪などの区間を走っていて、片道だけでも乗ることができた、と考えればよいでしょう。

旅行会社の「旅行商品」ですから、バス停はありませんでした。ほとんどの場合、公道上の「集合場所」に集まって、そこで乗車して目的地に向かう、という形です。「集合場所」は、公道上のほか、駐車場や、一部には待合室を備えたターミナルを持つ会社もありました。こうした形の「バスツアー」はいまも存在しますが、「高速バス」とは異なります。

新高速バス(乗合バス)

新高速バスは、路線バス(乗合バス)の一種です。路線バスの規制緩和をすることで、新規参入しやすくなったものです。現在の高速バスは、この新高速バスの形態が基本です

利用者から見た場合は、旧・路線バスと使い勝手はほぼ同じです。バス停もありますし、時刻表も掲示されます。

旧・路線バスからみた変更点は、割引運賃制度が「幅運賃」となり、旧・ツアーバスの制度に近づいたことがあげられます。また、キャンセル料などもこれまでの路線バスに比べると大幅に値上がりし、これも旧・ツアーバスの制度に近づきました。

このように、高速バスの形式は一本化されました。ただし、今も「路線バス系」と「ツアーバス系」の色分けは残っています。

安いのはツアーバス系

一般的に、路線バス系よりはツアーバス系のほうが値段が安めに設定されていることが多いですし、価格設定に工夫をして、オフシーズンに驚くような割引運賃を提示するのもツアーバス系の特徴です。したがって、たんに安く旅をしたいのなら、ツアーバス系を探したほうがいいでしょう。

路線バス系のほうが安いケースも

ただし、ツアーバス系が必ず得かというと、そうでもありません。新高速バス制度になり、路線バス系も割引運賃を増やしていますので、路線バス系のほうが安い場合もあります。とくに、夏休みやGWのような混雑期は、ツアーバス系の値段はどんと上がりますので、路線バス系のほうが安いケースも多いです。

キャンセル料に注意!

高速バスの利用で注意しなければならないのがキャンセル料。新高速バス制度になってから、キャンセル料は、高額な場合が増えました。かつての高速路線バスでは、100円程度の払戻手数料でキャンセルできましたが、現在ではどのバス会社でも、20パーセントから半額のキャンセル料を請求されることがあります。

ツアーバス系は停留所が少ない

旧・ツアーバスは停留所を持ちませんでしたので、新高速バスに移行する際に、停留所を設置しました。しかし、停留所を設置するのにはお金もかかります。また停留所は既存企業の既得権ですので、新興企業であるツアーバス系がそのスペースを獲得するのは簡単ではありません。そのため、ツアーバス系は全体的に停留所が少なくなっています。

サービスはツアーバス系のほうがいい?

サービスに関してはツアーバス系のほうが優れている場合も少なくありません。ツアーバス系は玉石混淆で、バス会社や路線・クラスによってまったく違いますが、努力している会社はとてもがんばってサービス向上に努めています。

これに対し、路線バス系は大手鉄道会社の関連会社などの運営です。公的企業らしくのんびりお役所的な雰囲気が漂い、企業努力はいまひとつ、という会社が多い点も否めません。

高速バスをめぐる「路線バス系」と「ツアーバス系」の競争は、「老舗企業」と「新興企業」の競争でもあります。一般的にいって、新興企業は価格とサービスの水準を高くして老舗企業に挑みます。ですので、利用しやすさや快適さでは、新興企業群であるツアーバス系に軍配が上がることも多いのです。

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